わくわくテニス連絡帳

ちょっとひと休み（５７）＜グランドストローク＞
　近年ではテニスの「グランドストローク」は身体を回転させて打つことが定説になっています。それは筋肉と骨格の連動が「円運動」に基因するからと考えられています。
ただ、テニス愛好家の大半はラケットを持つ腕を直線的に前方へ押し出すフォームが主流でタイミングがあえば、すばらしい打球力とコントロールができたりします。実際はどうでしょうか、私の経験では三球までは何とかなりますがそれ以上はコントロールする事が困難と考えます。
　そこで、前述のスイングをからだの基本である「円運動」にかえることをお勧めします。ストロークがなめらかな軌道になり運動のロスも少なく、コントロールもよくなると考えます。
少し難しいのはラケット軌道が円運道にあるので相手のボールをこの軌道にのせるのに練習がいります、また身体の回転力を生じさせるには体幹の捻り動作を理解し実践しなければなりません。この準備の捻りの体勢がもっとも大事かもしれません。捻りのきいた体幹をとき放すのは簡単でそれは、ストロークの力の源泉になります。足の役割では、足先の向く方向は目標方向ではなく斜め前に向けます、からだの回転角度を制限し、捻れがそのまま解放されて力がラケットに伝わらないことを防ぎます。
　ボールのヒットする瞬間の「重心」はオープンスタンスでは右足の一本にあります、ステップインした場合は、重心は左足に移ります。要はボールをヒットするときは、片足一本で回転し、足の向きを斜め前にすることによりからだの回転が途中でブロックされて捻りが急激にストップされます、からだの回転が静止されることにより、腕の運動域が急激に小さくなりその分、ラケットは加速されます。
　捻りで打つストロークと正反対にあるのが、「ドアースイング」と呼ばれる打ち方です。打つ準備として、からだの向き合う方向が正面であるか半身であるかに関係なく、ラケットはからだの「捻りがない」ままそのまま引かれることを言います。この打法では打つためのパワーが溜められず、また引く動作は時間がかかり、打つタイミングに遅れる原因となります。
まとめますと、最近のグランドストロークは、「からだの捻り」で打つための準備し、「片側の足・一本足」に重心を移し（体重の移動ではない）、捻りを解放すると同時に胸と肩胛骨でラケットを前方に引っ張ります。打点のポイントはラケットの円運動の前方の範囲で打つ方向のポイントにあわせます。これだけです。おわかりのように結論は腕や手でラケットを操作する動作はどこにも存在しません。捻りと重心と回転です。

曇り空の中、風もない３月6日の練習会の参加者は、伊佐さん、宇都宮さん、橋本ご夫妻と稲見の５人でした。
コートは人工芝なのですが、砂が多く足元が滑りやすかった。

ちょっとひと休み（５６）　
プロ野球の国際試合であるＷＢＣの”日本チーム”がなかなか勝てなく苦労している。理由はいろいろ言われているが、テレビ観戦をしていて一番感じるのが”勝ちたいのか？負けたくないのか？よくわからないところにあると思う。解説者のほめ言葉にもどこかむなしく感じる場面がある。テニスと野球は身体動作がよく似ているといわれる。
サーブは投球フォームから学ぶ事が多く、ストロークの身体の捻りはバッテングのフォームににている。特に右打ちのプレヤーのバックハンドは左打者のバッテングによく似ているので参考にしたい。
　テニスの一流のプレヤーと一般愛好家の違いはストロークのフォームを見ると一目瞭然でわかると言われます。それは「体幹」の回転で打つストロークと、いわゆる「ドアースイング」と呼ばれる引き戸を引くようなスイングで打つストロークです。ドアースイングでの打ち方はある程度正確性増すがボールのスピードを増すには限界があり肘を痛め易い欠点があります。またラケットを引くので相手のスピードボールには遅れてしまう事、移動して打つのには動作が大きすぎて変化やスピードのある敵のボールを打ち返すには今では、適さない打法となっています。
そこで、「体幹」の回転打つ科学的に証明された最近の打法を紹介してみよう。

まず、ボールは「腕で打たない」事を認識してください。
　ストロークの第一歩は「構え」です。ラケットは前で構え立てておきます。左手はラケットネックをつかみ両手で支えてください。体幹（左右の鎖骨と左右の骨盤を囲った上半身の部分、両足は入りません）は骨盤に均等にのせます。足の筋肉は、前にある”大腿四頭筋”と後ろにあるハムストリングの両方に力が入らず、ちぢんでいない状態を保ちます。これをテニスでは「パワーポジション」と呼びます。
相手からボールが打たれ、フォーハンド側にボールが来ると予想された時、ドアースイングだと腕で”ラケットを引く”動作に入りますが、現在ではラケットの構えはそのままにして、「体幹」を捻ります、ここで「腰」ではないことを確認します。腰は脊椎と骨盤の関係を言い、多くて数パーセントしか構造上回りません、脊椎にストッパーがあるのです。体幹の捻りは打つためのパワーの準備とします。
　次に打つために腕ではなく体幹が捻られで後ろ側に移動した「胸の筋肉」を前方に押し出すとラケットは力を入れないかぎり面が下向きから上向きになり、自然にラケットのグリップエンドがボールに向く状態になります、次に胸の筋肉と背中の肩胛骨をカバーしている数種の筋肉が打球のパワーになります。大事なのは腕の筋肉ではなく、体幹の捻りと背中の肩胛骨に関係する筋肉で打ちます。
①パワーポジション　　　　　　②体幹を捻り始める
③ラケットを引いていないので体幹の前にある　④胸の筋肉と肩甲骨の周りの筋肉（僧帽筋等）でヒットする
上記の写真を参考に試してください。新しい打ち方は、体幹の捻りと肩甲骨の動きでストロークするのです。

ＷＢＣを見ていると選手の懸命さは感じるのだが、同時の「野球道」などのかたい言葉で表される、精神的な重圧感を選手に感じるのは私だけだろうか？負けることは「悪」ではないのでもっとエンジョイしよう。テニスも野球も。

<大浜公園テニスコート・遠くにドーム型の相撲場が見える＞
２月２０日の練習会は大浜公園のテニスコートで行いました。稲見 一人となりましたが、ウオーミングアップから、コーディネショントレーニングそしてサーブ練習まで２時間はすぐに経っていました。

ちょっとひと休み（５５）<コーディネーション・トレーニング>
錦織圭選手の調子が上がらない、アルゼンチンオープン(ＡＴＰ２５０の大会)の決勝で負けたのにつづき、リオ・オープン（ＡＴＰ５００の大会)は初戦に敗退するというまことに残念な結果となりました。照準は次のグランドスラム大会"フレンチオープン"だと思いますが、どんな試合にも勝つにこした事はない。やはり体格的なハンディから余分な動きが多すぎるのではないかと考えます。とにかく、グランドスラム（ＡＴＰ2000の大会)に一回でも優勝すれば、何事も吹っ切れて名実ともに世界のトッププライヤーになる事は間違いないのだが？ーーーーーATPの後の数字はランキングに関係するポイントであり、優勝すれば表記のポイントが貰えます。現在、ランク一位のアンディマレーは一万点強、錦織圭選手は五千点弱です。



さて、トッププロのテニスは別にして、一般のテニスプライヤーである私たちも日々練習を繰り返し上達したい、試合にも勝ちたいとの思いは同じです。ストローク、ボレー、サーブ、スマッシュ、これら基本動作をうまく調整して打つ為の情報はどこから来るのか？それは、やはり"目"からの情報ではないでしょうか。
⑴目と手、⑵目と足、⑶目とボール、⑷目と腕関節、⑸目とラケット、⑹目とコートエリア、⑺目とネット、等々の関係をうまく使いこなし、しっかり判断して相手のコートに打てば、ほとんどポイントになるのではないでしょうか。
このうまく調整する為のトレーニングを「コーディネーション・トレーニング」と言います。コーディネーションは決して幼年期だけの練習ではありません。ボールに対して、限られたコート内を方向転換からダッシュし、移動し、止まり、ひねり、回転し、ラケットスイングする。目から情報を得て、身体、全ての動作が調整して連動さす、これが「調整」コーディネーションの意味です。日常的にボールをラケットのガットではなく、フレームでポンポンとツクなり、野球の投球フォームからサーブのリストワークやステップインのタイミングを練習する、一流プレヤーの良いフットワークをよ〜く観察し、コピーしてみるなど、これらを「トライ」してみる。常にテニスの場面を考え、必要だと思う事ははなんでもやる、この「やるきの気持ち」を大切にしよう。
スピードとパワーの劣る高年齢プレヤーでも、「コーディネーション・トレーニング」は経験と英知を駆使して計画的且つ、日常的に練習をすることにより技術力、動作の正確性の向上が可能なトレーニング方法ではないでしょうか？


２月２０日の練習会はなま暖かい風の中での練習でした。練習会の参加者は伊佐さん、橋本ご夫妻、久原さん、西尾さん、と稲見の6人でした。

ちょっとひと休み（５４）
　ペンをアップル（リンゴ）に押し込めば、アップル・ペンと唄う。そして、その次にリンゴではなくパイナップルとぺんでパイナップル・ペンになり、さらに、その二つをぶっけるとペンパイナップル・アップルペンとなる。「ＰＰＡＰ」だ。この１分足らずの楽曲が「映像媒体」のユーチューブで世界中をかけ巡り大きな話題になっています。　楽曲はさておき歌詞の内容が連鎖していき徐々にことがらが”不安定”になっていきます、その不安定感が徐々に増していく感覚を短い時間で感じ取る楽しさがあるのではないと考えます。

　 Tennis - PPAP
テニスに置き換えてみると、サーブから始まるゲームではレシーブミスを含め、どちらかがミスしポイントするまで続きます、ミスをした方が負けになります。プレヤーはその課程の中で勝利するためににどうにかして相手の”不安定差”を作り出そうとします。この感覚はひょっとしたら、テニスはペンパイナップル・アップルペンの楽曲の楽しさ、おもしろさが共通するのではないかと考えています。
　私たちはテニスの数々の楽しさを享受しています。競技特徴と楽しさをまとめてみると
１）みんなで楽しくプレーできる。
２）２〜４人いれば手軽にゲームができる。
３）ネットを挟んでのゲームなので身体接触などの危険性が伴わない。
４）男女の混合したゲームができる。
５）運動と休息を繰り返し、競技がつづく。
６）Jrから高年齢まで同じコート、ネット高さ、ルールでゲームができる。等々です。
これらのの楽しみの特徴の中に”勝利の喜び”や”負けての悔しさ”を加えたならば、私たちのテニスレベルでもオリンピック選手に負けないぐらいの「モチベーション」や「やる気」が高まるのではないでしょうか？
　文頭では、ゲームで”不安定感”の感覚を「作るも」「防ぐも」テニスのおもしろさだとお伝えしましたがおもしろさを味わうには、やはり”基本の技術”の認識・習得が不可欠だと考えます。サービス・リターン・ストローク・ボレー・連続プレーの動作技術中心に今後のブログの題材としていきたいと思います。


参加者は稲見一人でしたが練習後半に”宇都宮さん”が久しぶりに参加されました。右手、肘の状態はまだいいとは言えないとの事でしたが、その他は元気な様子でした。

ちょっとひと休み（５３）
「虎視眈々」
　テニスの試合を見ているとピッタリの言葉を思い浮かべる「虎視眈々」（こしたんたん）だ。辞書では、相手にすきがあれば付け入ってやろうとじっと様子をうかがいねらっていることと書かれている。虎視は「虎」が獲物を狙う目つきで「眈々」とはじっと見下すことだと言う。
この言葉には「虎」の字が入っているのとライオンよりは”東洋的”でその容貌と目の鋭さと躍動感はなぜか、大阪人の私には印象に残る言葉になっている。
和歌山県串本市の無量寺の虎の襖絵、作者は丸山応挙の弟子で「長澤芦雪」（ながさわ・ろせつ）

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1754〜1799、猫の目に見えますが、本物の虎を見る機会のない時代の絵師にとっては想像の虎は猫の延長上でしかないのですね？

　テニスの試合においては、勝つためには「ネット」の向こうの相手の動きを逐一観察し、ボールがネットを越えていないのにポジションを変えて準備しなければならない。そして、ネットを越えてきたボールに対してはプレーヤー自身の持っている技術のストローク、ボレー、スマッシュ、ロブを駆使して相手が返球できない場所または早い球、遅い球をコントロールして相手が返球できない状態や局面を作ろうと頑張るのである。

　ただし、ラケットとボールが接している時間は千分の四秒と言われている。プレーヤーが長いつらい練習の結果、得たラケット操作も、試合ではラケットを持ってボールを動かしている時間はほんの一瞬であり、「相手の動き」と「ポジション」を観察している時間の方がよっぽど長い。特にダブルスの試合では、相手のサーブ、見方のサーブ時などに前衛がフェイントや小刻みな動きなどで相手のメンタル的な動揺を誘い、”プレーせずにポイントをあげる”ケースがたびたび見受けられる。
将に、ゲームでは相手をよく観察して「虎視眈々」と狙う行動が勝利につながる一番の「技」かもしれない。



晴れていましたが、風がきつくボールも湿りがちで、コントロールがしにくい練習会でした。参加者は伊佐さん、西尾さん、橋本ご夫妻、高野さんと稲見 の６人でした。